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2003/11/02
第9回 森林と市民を結ぶ全国の集い 北海道2003 

第5分科会
お魚から森を見る


議論の要旨
 私たちは、川の外科医・妹尾さんと、シマフクロウの研究者・山本さん、野生生物保護管理に取り組むフリーライター・平田さん、そして途中からは根室で自然保護運動に携わっている高田さんの5人で、「おさかなから森を見る」ということで話を進めました。実際には森だけでは魚の話ができるわけではなくて、森があって、海があって、その間をいつなぐ川があって、初めて、お魚と森の話というのが結びついてきます。つまり流域の視点がなければ魚と森は結ばれません。

 川は、上流から下流に様々なミネラルなどを運び、一方海のからは魚が遡上し様々な海の栄養分を森に返してくれます。人間でいえば動脈であり静脈、つまり血管です。その川である血管の今の状態を見ると、あらゆる所では血栓ができています。川を横断する人工構造物です。一方、血管の壁となる森林は、これまた手荒な森林管理のため健全な状態ではありません。イトウやシマフクロウ生息地の減少に現れています。

 それに対し、私たち何をしなければならないのか。森や川の復元、再生、といったときに原生的な状態まで戻すことが可能なのかということが問題になります。復元・再生の目標設定には、空間的な考え、時間的な考え、この2つが必要であると考えられます。空間的にとは流域的な思考が必要だということです。時間的な考えとは、どこまで過去に遡り目標設定をするかということと、何年先・何十年先を見据えて目標の達成度は評価するかということです。

 最初、おさかなから森が見えるか、というテーマの中で話を進めていって、最後に落ちたのは、今、おさかなから森は見えない。決して健全な状態で私たちは森林やそのほかの生物たちとつき合っているわけではない、というのが結論です。

 では、誰がそのおさかなから森を見えるようにしていくのか、それが大きな問題だと思います。森林を含む自然環境をどう取り扱っていくかというのは、利害ではなくて価値観の調整ではないか、と考えています。したがって、今までのように行政がある程度お金を使いながら利害を調整していく手法ではこれからは立ち行かず、価値観の調整というのは、基本的には市民がそれぞれの立場でやっていく必要があるのではないか考えます。

11月3日「まとめに集い」にて


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