レポート目次

  1. はじめに
  2. 河川横断構造物について
  3. スリット化による既設ダムの改善
  4. その他の既設ダム改善方法
  5. 今後の課題
  6. 感想
  7. 謝辞
  8. 参考資料

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4.その他の既設ダム改善方法

コンクリートの壁がそそり立つスリットダムや鋼製ダムは視覚的な威圧感を生み出す。透過型ダムの機能を保ちつつ自然の風景に溶け込んだ砂防構造として、柳井講師の述べた、流木・風倒木や巨石を用いたログダムがある(図11)。実例としては、北海道興部町パンケオロピリナイ川に設置されたログダムがあり、それは200mmの洪水で機能した[xiv]。ログダムやログ水制工を連続的に設置することで、低予算で機能的な砂防構造をつくり出すことも可能だ。

図11:ログダムの構造(断面図)(11)

しかし、ログ構造は、河床勾配が急な場合や豪雨で流量が急増した場合、大量の土砂をせき止めるという能力において、大きな砂防ダムに劣るように思われる。完全にコンクリートや鋼製のダムをなくすのではなく、そういったダムの建設は最小限にとどめて、できるだけの機能をログダムなどの自然構造でまかなっていけばよいのかもしれない。