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クレープスバッハ(Chrebsbach)
クレープスバッハ
ネフバッハ
テス
ライン

 ケスナッハの改修後、その支流にあたるクレープスバッハも農業用排水路として整備された。1970年代初頭のことである。直線化と河床の固定についてはケスナッハ同様であったという。したがって、クレープスバッハの再改修もケスナッハと同じ理由による。

 ケスナッハの特徴は、アウトバーン排水の流入先としての機能を持つことである。大雨の時にアウトバーンの排水をそのまま流入させるとピーク流量は急激に上がる。それを解消するために遊水池が設けられた。また、排水にはオイル成分が多量に含まれる。そのまま河川に排出すると、当然汚染が広がることになる。そこで、遊水池に流入させる前にオイル分離器を設置してダイレクトに流れ込まないような仕組みをつくっている。ただし、設計が古く現在の規格にはあっていないということだったが…。

 このほかにも、一次改修時に掘り下げたことによって、飲料水として利用していた地下水まで低下してしまった集落もあり、再改修時には河床を修復して地下水の浸透を押さえ、断面を横断方向に広げることによって防災的な安全面を確保している。

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[参考文献]
山脇正俊,1998,クレープスバッハ川:近自然工法による洪水対策,2000,北海道川の会スイス・ドイツ近自然工法見て歩き 資料 より