ドイツ最高峰ツークシュピッツェ (Zugspitze)の入り口、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンからバイエルンアルプスの方角に遡る。ちょっとした峠を越え、再びイン川本流の流域に入る。
ここではバイエルン州の河川技術者K・ライトバウアー氏とグリューナウアー氏に案内していただく。確か、床固工として配置されていたダムの撤去跡だったように記憶している。巨石を置いて上下流の落差を確保しながら、河道の分断を防ぐ方法で、「玉すだれ工法」と言っていた。
グリューナウアー氏は「リバー・マイスター」と呼ぶべき立場で、ずっと同じ川に関わってきているのだという。日本では、数年おきに担当者が変わり、書類として残しきれないものを伝えていくことが難しい。森林についても同じことなのだが、ずっと同じ場所を見続けていく人の存在がないがしろにされている。具体的にどんな説明を受けたのか、もう忘却の彼方なのだが、「リバー・マイスター」という制度があるということだけは忘れられない。
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