<<ヨーロッパ川紀行 <<ヨーロッパ川紀行 地名一覧 <<ヴィンタートゥール

谷頭後退
久著呂川
釧路川

 谷頭の後退は、何もヨーロッパだけで見られる現象ではない。道東の釧路川の右支流久著呂川で進行中である。
 ここ10年ほど久著呂川で調査をしている北大の水垣さんから、話は伺っていたが、今年目の当たりにした。2004年夏、彼の主催する巡検に参加してびっくり。
 かれこれ10年目に釧路湿原に流入する河川の土砂調査でこの現場近くまで歩いているのだが、その当時はこのような兆候は見られなかった。あるいはまだ大きく変化していないので見落としていたのかもしれないが…。

 本来であれば護岸河床部を保護していたブロックも底をえぐられ、垂れ下がってしまっている。計画河床よりも2mほど下がっているのがわかる。谷頭は年々上流側に後退しているそうで、河床に大型ブロックなどを敷設しているが、後退は止まらない。現在のところ有効な手だてがない状態である。

 河床低下区間は現在の谷頭から下流に2kmほども続く。下方浸食で剥き出しなった河岸は土壌凍結しやすくなり、春の融解時期に板状に滑り落ちる。そしてさらに側方浸食が進む。年間の浸食深は20cm程度ということだが、これが繰り返されている。

2004/07/03
久著呂川(北海道鶴居村・標茶町)

詳しくは水垣さんの調査情報をご覧下さい。↓

Sony DSC-U20
http://www.agr.hokudai.ac.jp/formac/sabo/mizu/index-f.html