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第4回 課題

大汗のあとは(楽しみ)

提出原稿
添削後
 私は森づくりの計画を仕事としていることから調査で森に入る機会が多い。昔なら、「山ばっかり入っているの?」などと半分揶揄されていたが、今なら自然に接する機会が多いとうらやましがられる。しかし、道のない森の中を歩くのはそう快適なものではない。

 北海道の森は、木々の下にはクマイザサやチシマザサといったササの仲間が生い茂り、時として背丈の倍近くもある。積雪期ならばササは雪の重みで寝てしまうのでどこでも好きなように歩けるのだが、雪が融けるとそうはいかない。「ササをかき分けて」と言っている分にはまだいい方で、ササの密度が濃くなってくると、時としてその下をくぐり抜け、ある時には泳がなければならない。踏みしめたササが立ち上がるので足が宙に浮いてしまい、泳ぐような形になるのである。森を散策するなどという軽快なものではなく、大汗をかきながらの苦行となる。

 ところが、そのようにして森の中を歩くことがずっと苦行かというと、決してそれだけではない。苦行を忘れさせてくれるひとときがある。密集したササをくぐり抜け、ササの薄いところにでたときに足下に咲いている小さな花との出会い、静寂の中から聞こえる野鳥の声やキツツキのドラミング、額の汗をぬぐってくれるようなそよ風。「あ〜、ここに来てよかった」と思う。思わぬところに思わぬ楽しみ、これがあるから、また苦行と思いつつ、森に入る意欲がわいてくる。

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 私は森づくりの計画を仕事にしているため、調査で森に入る機会が多い。昔は、「山ばっかり入っているの?」などと半分揶揄されていたが、今は自然に接する機会が多くていいねとうらやましがられる。しかし、道のない森の中を歩くのはそれ程快適なものではない。

北海道の森は、木々の下草としてクマイザサやチシマザサといったササの仲間が生い茂り、時として背丈の倍近くもある。積雪期ならササは雪の重みで寝てしまうので、どこでも好きなように歩けるが、雪が融けるとそうはいかない。「ササをかき分けて」と言っている分にはまだいい方で、ササの密度が濃くなってくると、時としてその下をくぐり抜け、また時には泳がなければならない。踏みしめたササが立ち上がるので、足が宙に浮いてしまい、泳ぐような形になるのである。森の散策などという軽快でカッコいいものではなく、大汗をかきながらの苦行となる。

ところが、常に苦行ばかりかというと、決してそれだけではない。苦行を忘れさせてくれるひとときがある。密集したササをくぐり抜け、ササの薄いところにでたとき、足下に咲いている小さな花との出会い、静寂の中から聞こえる野鳥の声やキツツキのドラミング、額の汗をぬぐってくれるようなそよ風。「あ〜、ここに来てよかった」と思う。思わぬところに思わぬ楽しみ、これがあるからこそ、また苦行かと思いつつ、私は森に入るのである。

04/03/16
04/04/02

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