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ローマ通信 2004年1月号  *2004年1月31日発行================================================================

 遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。

 早いもので、昨年10月にボリヴィアを離れ、日本に滞在の後、12月6日にローマに着いてから2ヶ月近くになろうとしています。私信ではありますが、職場(FAO )や身の回りの様子を少しでもお伝えできればと思います。

ローマの近況

 ここローマは意外と暖かく元旦も10度を越え、秋晴れのような天気でした。

 クリスマスの時には、バチカン市国に3回も行ってしまいました。ローマ法王が日本語で「クリスマスと新年明けましておめでとうございます」と言ったのを、広場で聞いて感動してきました。また、大晦日は花火がドンパチうるさく賑やかな年明けとなりました。

 もうご存知とは思いますが、ボリヴィアから昨年10月に帰国後、2ヶ月間、実家の盛岡で過ごした後、12月6日に日本を発ちました。ローマでのホテル住まいを何とか2週間で脱出し、FAO本部から南に歩いて15分くらいのTestaccioという下町に小さなアパートを見つけ取りあえず引っ越しました。2ヶ月の契約ですが、ウィークリーマンションみたいなつもりで滞在しています。きちんとしたアパートを年明けから探していますが、家賃が東京23区内並に高いのには閉口しています。

 子供たちは、12月中旬から近所のイタリア系保育園に週5回通っています。長男の賢治は、すぐに慣れ友達も数人出来、昼食(暖かい給食で、パスタが多かったりする)も一緒に食べ、午後2時半まで遊んでいます。次男は2歳半と未だ小さいこともあり、12時前に妻が迎えに行っています。3月からは長男をインターナショナル(アメリカ系)に通わせようと手続きを進めているところです。

 マリエッタはローマ市内の語学学校で週3回イタリア語の勉強をしています。スペイン語が出来れば簡単!という人も多く、そうかなと思ったりしていましたが、それはどうやら勘違いのようです。似ているあまり、かえって混乱してしまいがち(特に動詞活用)。私も日常会話くらいは出来るよう頑張ってみるつもりです。

FAOの概要

 ごく簡単にFAOについて説明しようと思います。FAOは1945年にカナダ・ケベック市で初の総会が開かれ、その後1951年にワシントンDCからここローマに本部を移し現在に至っています。8つの部門(農業、漁業、林業、持続的開発、社会経済、技術協力並びに総務・情報)から成り、職員は約3700名(その内専門職員が約1500名)と国連でも有数の大所帯です。ローマ本部の他、各地域に5つの地域事務所(アジア太平洋州は、タイ・バンコク)並びに副地域事務所(アジア太平洋州は、サモア)、5つの連絡事務所(含む日本・横浜)、そして78ヶ国に現地事務所があります。

 今年1月現在、ローマ本部には日本人が33名(職員やコンサルタント等)いますが、欧米諸国等に比べるとまだまだ人数は少なく感じます。

FAOの今年の行事

 2004年は「国際コメ年」です。FAOによれば、「コメ生産の加速が世界の食料安全保障の改善に対する主要な貢献となっている一方で、慢性的な栄養不足に悩む8億4000万人のうち半数を超える人々がコメの生産に食料、所得及び雇用を依存する地域に居住している」と指摘、「国際コメ年は、世界を通じて各国の主導によるプログラムを実施するための触媒の役割を果たす」と、FAO事務局長Djouf氏はニューヨークでの国際コメ年の開始にあたって述べていますが、2004年には地域での会議や国際会議とともに、科学分野でのコンテストも開催されることになっています。

FONP 課より報告

 私が配属となった課は、林業局(FO)に3つある部の内の林業政策計画部(FON)で、そこにある2つの課の一つにあたります。課長は南米チリ出身のManuel Paveri氏で、秘書のYolandaも同じくチリ出身であることから、スペイン語が良く通じるところです。全体で20名(内8名女性で7名がヨーロッパ出身)とこじんまりしており、12名が専門職員で出身地も多様ですが、やはりヨーロッパが3分の2(13名)です。アジアからは、Oudaraさん(林業研究教育担当)と私のみで、少し寂しいですが、これだけは仕方ありません。

 赴任して早々の12月9日(水)には、当課でクリスマスランチが催され、楽しい一時を過ごすことが出来、私にとっても職場の同僚の名前と顔を覚えるまたと無い機会となりました。オフィスから南へ歩いて15分、テスタチオ地区のイタリア料理屋“Da oio a casa mia” に昔のスタッフも含め25人ほど集まり、飲んで食べて、少し仕事の話も交えて、とまるで忘年会のようでした。

 私の仕事のほうは、12月中旬に上司(フランス人のDominique氏)からブリーフィングを受け、森林関係の貧困対策と、参加型林業の中南米担当の2つがメインになっています。また、彼に誘われて週2回昼休みにジョギングクラブで汗を流すことになりました。ローマに赴任するまでの期間、身体がなまっていたので丁度いい機会となっています。

林業関係の日本人

 FAO本部には、林業関係では林野庁から出向中の上本真紀子さん、TCIに昨年末より来ている萩原さん(元JICAパナマ専門家)と私の3名です。今年3月下旬には、FOPPのチーフとして現在アメリカ・シアトル在の元林野庁の勝久さん、4月には林野庁からオフィサーとして柱本さんが赴任する予定で、賑やかになりそうです。また、1月23日には、世銀のジンバブエ事務所で現在働いている芹沢さん(大学林学科の先輩にあたり元JICA職員)がIFAD やFAOを訪問。たった一日でしたが、いろんな方とアポを取って話す機会が出来、充実した1日となりました。

お悔やみ

 ローマにある国連機関のWFP(国連世界食糧計画)に勤務していた中川さんが昨年12月末に亡くなられました。お子さんを2人残してのあまりにも当然の出来事で、私自身はお会いしたことがありませんでしたが、他人事とは思えません。今月30日には追悼会がWFP本部にて行われる予定です。

職場でのこの年末年始の動き

2003年
11月29日〜
12月10日 FAO第30回理事会及び総会開催(ローマにて)
12月11日 日本・農林水産省や外務省から代表団との夕食会
12月16日 林業局のクリスマスパーティ(4階にて)
12月25&26日  クリスマス休暇
12月30日 仕事収め

2004年
1月1&2日 新年休暇
1月6日 仕事初め
1月12日  FAO日本事務所・新所長遠藤氏の林業部門でのブリーフィング
1月29日 FAO予算説明会(日本大使館・田中公使及び猪又一等書記官)
ローマ国連関係者日本人会・総会及び新年会

最後に

 こんな感じのたわいのない通信ではありますが、今後も定期的に出していきたいと思っています。今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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発行: 清水 正(FAO本部・林業局森林政策計画部、参加型林業担当)
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