オランダ通信

2007年5月号 *2007年6月3日*
by 清水 正

初夏の候、いかがお過ごしでしょうか?オランダの5月は、4月に比べて不安定な天気が続き、雨が多い毎日でしたが、下旬になって少し晴れた日が続きました。5月は、小学校の休暇が3回・延べ2週間半あり、親泣かせの月でしたが、サッカーの試合や誕生会が重なり、楽しい月でもありました。

5月の動き

5月6日 マリエッタ誕生日(??歳)
5月10〜17日 IFAT国際会議(ベルギー・Blankenberg及びブリュッセルにて)
5月12日 賢治・サッカートーナメント(地元にて)
5月13日 第1回交流会(在オランダの開発援助関係者)
5月17〜19日 ブリュッセル滞在(子供同伴)
5月23日 身障者サッカークラブ親善試合(地元にて)

IFAT国際会議(ベルギー・Blankenberg及びブリュッセルにて)

2年前に、エクアドルで開催されたIFATの国際会議は、今年ベルギーの西海岸に位置するBlankenbergで「Fair Trade at Heart(真心のフェアートレード?)をテーマに、マリエッタの働くIFAT事務局とOxfamベルギーが中心になって盛大に催された。日本からは、東京経済大学助教授の渡辺龍志さんと、Oxfamジャパンの高津玉枝さんが参加しており、全体で約360名が参加した賑やかな国際色豊かな1週間となりました。裏方のマリエッタは、今年に入ってからプログラム作成、招待者や生産者とのコンタクト、ホテルやビザの手配等忙しい毎日が続いていましたが、何とか無事に終わりほっとしています。

議題の中心は、ラベル認証や、認定団体のモニタリング評価システムの改善、フェアートレード運動の今後に向けた長期戦略、毎年5月第2週土曜日に設定されている「フェアートレードの日」、新規加入希望団体への対応等、ワークショップやセッションを通じて議論されたのでした。会議中には、市民運動のノリが随所に見られたり、結論が出せないまま平行線をたどったテーマがあったりと、課題も山積みのフェアートレード運動だなあと思いつつも、グローバル化の波に飲み込まれないようにがんばる途上国の生産者団体のパワーには圧倒されたものです。2年後の2009年は、ネパールで開催される予定とのこと。楽しみです。

自宅の改装

子供が同じ小学校に通う父親同士として、たまにコーヒーを飲んだりしていたイラン人のSaeedさんに、自宅の改装を頼んでみました。壁に一部を塗り替え、家具やランプの配置を変えてみるという小さなプロジェクトでした。元々、オランダやスペイン、ドイツでインテリアデザインを学び、ユトレヒトの建築専門学校の講師もしている彼は、丁寧に自宅を見てくれ、友達価格で改装を引き受けてくれたのでした。子供が学校に通っている時間に、モルタルを塗りこめたり、建材を探したりとバタバタした2週間でしたが、5月24日に何とか終わり、ホッとしています。ミニマリズムというか、とにかく基調色を白色に統一し、本や書類、おもちゃなどが乱雑に並べてあった本棚を収納するという方針で、彼に提案されたときは、半信半疑でした。彼の豊富な経験に裏付けられたコメントを咀嚼しながら、作業を手伝うことができたのは、本当にいい経験だったと思います。また何かあったら彼に相談するつもりです。

オランダ北部の島・Texelを訪ねる

北海に面したオランダ北部には大きな島が4つ弓上に並んでおり、アザラシの生息地としても知られている。いつか行きたいと思っていたところ、Texelという一番本土に近い島のユースホステルが、2泊3日の格安パックを提供していることを知り、子供の休暇中である5月31日から車で出かけてみたのでした。島に渡るフェリーに乗るまでは雨が降り、当日の天気予報は、降水確率が60%であまり期待していなかったのですが、幸い初日夕方から晴れ間が続き、自転車で島内を駆け回り、砂浜で遊んでとすっかり楽しむことができました。2日目には、北海エビ漁の漁船に乗って底引き(?)網の実演を見てきました。船内は修学旅行の小学生も50名ほど乗り込み、賑やか、獲れたエビや小魚を船員がそれぞれ説明してくれ、その後にエビを釜茹で。試食させてもらい、下船の際に、大人にはビニール袋に茹で立てのエビが入れて、お土産として1袋づつもらいました。帰港のルートにアザラシが生息する浅瀬の近くを通り、子供たちは大喜び。もらったエビは、夜に地ビールのつまみとして食べたのでした。皮をむいたら中身は、2センチ程度の小エビですが、いい味がしました。

最後に

マリエッタは、6月一杯でIFAT事務局の仕事を終え、7月からオランダの開発NGOのひとつであるICCOで働くことになりました。私のほうは、6月3日から、1ヶ月の予定で、中米エルサルバドルに来ています。JICAの技術協力プロジェクトで、地方自治体廃棄物総合管理プロジェクトの環境社会配慮担当です。訪ねるのは初めての国ですが、錆びかけているスペイン語を駆使してがんばろうと思っています。こんな感じですが、少しでもこちらの近況が伝われば幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いします。