オランダ通信

2007年2-3月号 *2007年3月20日*
by 清水 正

皆様、ご無沙汰しております。オランダも暖冬の影響か、雪が積もったのは今年は1月に一度だけ、平均気温が例年よりも3度高い冬となりました。3月に入り、運河沿いの土手や公園でクロッカスの華やかな花が咲き始め、先週は、小春日和に日が続きました。しかしながら週末からまた寒さがぶり返し、19日午前中には雪がぱらつく肌寒い毎日となっています。前回1月に号外・メキシコ版を出していましたが、オランダでのここ1ヶ月半の様子を少しでもお伝え出来ればと思います。

今年2-3月の動き

1月12〜31日 メキシコ出張
2月1〜10日 日本国内作業及び実家滞在(盛岡市)
2月17〜25日 小学校2月休み(クロッカス休暇)
2月19〜3月3日 マリエッタ出張(バンコク・IFAT地域会議)
3月5日 KITにて講義(AKZO NOVEL・日本支店赴任予定者夫妻)

長男のサッカークラブ

オランダには、無数のアマチュアサッカークラブがあり、地元にも3つクラブがあります。長男の希望で入団を希望し待つこと半年、晴れてこの1月からDVSU というクラブに参加できるようになったのでした。水曜日の午後に1時間のトレーニング、土曜日午前に試合がそれぞれあり、6歳から9歳まで11名が参加するF7というチームで、両親が結構熱心でフレンドリーな雰囲気で、普段とは違う付き合いが始まりました。

3月3日(土)には地元で試合があり、妻のマリエッタと観戦に出かけたところ、グループリーダーのRicさんに「Scheidesrechter」をやってくれないかと聞かれたのでした。単語が分からず、何ですか?と聞き返したところ、試合のレフェリーとのこと。やったことが無いからできないと最初は断ったのですが、他に誰もやる人がいないからお願い!!と頼まれ、二つ返事で引き受けてしまったのでした。

Ricさんに少年サッカーのルール(オフサイドは取らない等)や試合時間(前後半それぞれ20分)を確認し、小雨の中、人工芝のグランドに笛を片手に立ったのでした。スローングをするチームを何回か間違えてしまったのと、コーナーキックと思ったらキーパーのボールだ!!と観戦する親から指摘されてしまったなど、ミスがありました。でも、試合終了後に、「意外にきちんと審判の役を果たしていた」とRicさんや他の親からも言われ、ホッとしたものです。ちなみに試合は長男のチームが2−0で勝ちました。少年サッカーのレフェリーをするための講習会もあると聞き、もう少し頑張って勉強してみようと思っているところです。

オランダの育児環境 by ユニセフ(国連児童基金)

 先日、ユニセフが発表したところによると、先進国21ヶ国の中で、子供が育つ環境において、オランダが世界一良い環境の国とのこと 。これは、治安や教育の水準、人間関係、自分の人生への満足感などの子供を取り巻く環境を調査した結果で、オランダの学校に通う子供達の3分の1が「学校が好き」とこたえ、自分の人生を「幸せ」とかんじ、そして教育の水準も高い、という評価を得たそうです。ちなみに日本は、調査項目が一部不十分だったため、その中には入っていませんが、最下位はイギリスでした。

 一方、隣国のドイツは、意外にも「ドイツの子供の境遇は平均的に過ぎない」との結果(11位)となり、ほかの先進国と比べ、明らかに改善の余地があることが分かりました。ドイツではアンケートに答えた子供の約40%が、両親が子供と十分に話さないことに不満を訴えており、全日制学校や幼児期の介護でも、充実を求める声が寄せられています。

 オランダで育児をしている親にとって、このユニセフの結果はとても心強く、心持ち嬉しくなったものです。

CHILD WELL-BEING TABLE
1. Netherlands 9. Republic of Ireland 17. Portugal
2. Sweden 10. Belgium 18. Austria
3. Denmark 11. Germany 19. Hungary
4. Finland 12. Canada 20. United States
5. Spain 13. Greece 21. United Kingdom
6. Switzerland 14. Poland Source: Unicef 2007
7. Norway 15. Czech Republic
8. Italy 16. France

市民の貿易 フェアトレードが好調な伸び: NGOから企業に成長

300億円規模の市場 (朝日新聞からの抜粋 )

開発途上国の製品を公正な価格で買い、現地の人々の生活を保障し、環境保護にも貢献するフェアトレード(公正貿易)が伸びている。かつてはNGO(非政府組織)が細々と行っていたが、今や企業に成長した。その現状と将来像を探った。(伊藤千尋)

フェアトレードに詳しい拓殖大学の長坂寿久教授(65)によると現在、世界の58以上の開発途上国で600万人以上の生産者・家族がフェアトレードの恩恵を受けている。ヨーロッパではフェアトレード市場がここ5年、年率20%の割で急速に伸びている。その中心は、商品がフェアトレードに基づくとNGOが認証したフェアトレードラベル商品だ。スイスのバナナの5割、英国のコーヒーの2割がフェアトレード商品だ。

 日本でもフェアトレード認証商品がここ3年、毎年2億円の割で伸びている。イオンは昨年10月からフェアトレード認証を受けたケニア産のバラをスーパーで売り出した。 長坂教授によると、日本のフェアトレード業界の年商の合計は昨年末で約35億円だ。すき間産業としてまだまだ伸びる余地があり、ヨーロッパ並みにフェアトレードが普及すれば、市場規模は300億円になると予測される。

FAOからの出版物(LSP; Livelihoods Support Program)

 FAOで勤務していたときに関わっていたLSPプログラムから、この度2冊ほどワーキングペーパーと称して、発行してもらうことになりました。2006年6月22〜23日にFAOワークショップで発表した「中央・西アジアの森林と貧困」がテーマで、昨年夏に書いたものです。もし、興味があれば、以下のFAOのホームページを覗いて見てください。ダウンロードも可能です。

http://www.fao.org/sd/dim_pe4/pe4_040501a_en.htm

1)Shimizu T. (2006) Assessing the access to forest resources for improving livelihoods in West and Central Asia countries. FAO LSP WP 33. Access to Natural Resources Sub-Programme

2) Shimizu T., and Trudel M., with case studies by Asanbaeva A., Kananian M., Naseri Gh. and S?l?soglu M. (2006). Methodology and case studies on linkages between poverty and forestry. . FAO LSP WP 35. Access to Natural Resources Sub-Programme

最後に

 好天だった3月11日(日)に、妻の弟一家が住むドイツ・Dusseldorfに車に乗って日帰りで出かけ、夕方に市内の「なにわ」というラーメン屋に行ってみました。午後4時という中途半端な時間にもかかわらず、外の長椅子に10人ほど並んで待っている繁盛ぶり。味も上々で、値段も一杯8ユーロから手頃な値段設定に嬉しくなりました。

 こんな感じのたわいのない内容ではありますが、少しでも近況をお伝えできればと思って書いてみました。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。