皆様、ご無沙汰しております。実は、1月14日より31日までメキシコに行っていました。JICAの役務案件で、「メキシコ国 全国大気汚染モニタリング強化支援プロジェクト中間評価調査団」に評価分析担当として参加することとなり、1月8日にオランダを出て、東京にしばらく滞在し、一路メキシコへと出かけたのでした。昨日東京に戻ってきて、職場で報告書作成等をしているところです。意外と、暖冬で、ビックリしています。メキシコでの様子を少しでもお伝え出来ればと思い、懲りずに通信を出してみます。
1月2〜9日 | マリエッタのエクアドル出張(ラテンアメリカ地域会合) |
1月7日 | ユトレヒト在住日本人の新年会 |
1月8日 | 冬休み終了・新学期の始まり |
1月8〜13日 | 日本滞在(調査の準備・実家訪問) |
1月10日 | JICA本部地球環境部・事前対処会議 |
1月14〜31日 | メキシコ滞在 |
実は、約2年半ぶりのメキシコ入りとなったのでした。ひょんなことから、JICAの役務案件を取ることが出来たのが、昨年12月27日。年末年始にバタバタと航空券の手配や、関係資料の整理などして、あっという間に出発の日1月8日(月)になりました。実は、マリエッタがエクアドルにフェア−トレードの会合で出かけることが以前から分かっていたのでしたが、日本での打合せを1月9日(火)にするように言われてしまい、賢治と太陽を一晩、子守り(知り合いの大学生)に預けての出発となりました。1月8日は新学期初日で、雨の中、学校までチャリンコで送り届け、担任の先生に、緊急時の連絡先等を伝え、昼前に空港に向かったのでした。飛行機は、ドイツ・ミュンヘン経由。ミュンヘンからは日本の団体客が多く、エコノミー席は満杯。成田に着いたらえらく疲れていましたが、とにかく新宿までバスにのり、所属先(レックス・インターナショナル)事務所まで出かけました。初めて顔を出すわけで、緊張していましたが、総務の川野さんは、以前日本で働いていたところ(FASID)の知り合いで、10年ぶりの再開となりホッとしたのでした。
9日午後4時からJICA本部で今回の案件に関しての打ち合わせがあり、担当の濱口さんから、色々資料をもらい翌日の会議についても話し合いました。時差ボケでヘロヘロでしたが、何とか乗り切り、翌日の打合せも無事に済んだときはホッとしましたが、なにやら盛り沢山の行程で不安になったものです。週末に実家にとんぼ返りをして、成田に向かったのは14日朝。日曜日でしたが、一人事務所にこもり、最後の準備とスーツケースをまとめ、バスにのり、成田に向かったのでした。
行きはロサンジェルス経由で、帰りはバンクーバー経由の長旅。しかもロサンジェルスでは入管で待たされ、乗り継ぎの飛行機に乗り遅れてしまうという情けなさ。でも、メキシコの空港に2時間遅れの夜7時に着いても、出迎えのドライバーがちゃんと待っていてくれ、嬉しくなったのでした。30分ほどで、市内中心部のZonaRozaのホテルにチェックインしたら夜9時近く、サッと夕食を済ませ寝たのでした。今回は、メキシコにおける大気汚染モニタリングがテーマの3年間のJICA技術協力プロジェクトで、1年半経とうとしていることから中間評価が行われることとなり、プロジェクトに従事している「数理計画」の日本人専門家と、メキシコ人カウンターパートにインタビュー等をし、評価分析をするのが私の役割でした。久々のスペイン語でしたが、帰るころには大分慣れ嬉しくなりました。
プロジェクトは、昨年の大統領選挙で政権交代が無かったことから、カウンターパートも継続して雇用されており、大気汚染というテーマがメキシコでは公害や保健衛生といった観点から重要視されており、メキシコ側の期待度が高いプロジェクトでした。今後は大気汚染モニタリングを地方都市で行う予定であり、そのパイロット都市である、中央部Guanajuato州にも1泊2日で出かけてきました。昔、銀山で栄えたコロニアルな年で、石畳のこぎれいな町ですが、隣の町Salamancaには、PEMEXの製油工場や発電所があり、大気汚染が深刻な所でもあります。日本の川崎市で研修を昨年受けたClaudiaさんが、色々説明してくれ、日本の携帯電話を使った警報システムを帰国後早速真似をして導入したと誇らしげに語っていたのが印象的でした。
メキシコ滞在中は何かと忙しい毎日でしたが、マリエッタの両親や姉夫妻も市内南部に住んでおり、夜に一度、土曜日半日のそれぞれに出かけて再会を楽しみました。メキシコ料理もおいしく、今度は家族でゆっくりと観光に出かけたい国だと思った次第です。
このプロジェクトには、日本人の専門家9名が参加しており、シャトル型と呼ばれる1-3ヶ月ほどの短期滞在を繰り返し、技術協力をメキシコ側に行っていく研究・研修タイプのプロジェクトです。団長の賀勢さんは、元新日鉄で釜石市にも勤務していた定年間近の技術屋さん。シュミレーションモデル担当の田畑さんは、応用数学専攻で、奥さんが中国出身の40歳代バリバリの現役。実験室担当の田中先生は、帝京科学大学の工学博士。大気汚染なんて全く知らなかった私に、初歩的なことを始め、本当に丁寧にいろいろ教えてくれたのでした。数理計画は実は、未上場で出版界の小学館が親会社という、儲けにこだわらないちょっと面白い会社であることが分かり、個性豊かな技術者の集まりです。こういう人が国際協力の現場を支えているのかと心強く思ったものです。最後の晩は、近くの日本食レストランで、刺身をつまみにテキーラを飲みまたの再会を期したのでした。
こんな感じのたわいのない内容ではありますが、少しでも近況をお伝えできればと思って書いてみました。オランダには2月10日前後に戻る予定ですが、日本滞在中は、一度温泉に行こうと思っています。今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。