オランダ通信

2006年4/5月号 *2006年5月15日*
by 清水 正

拝啓、青葉の目にしみるころ、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?

4月は、中旬に意外と肌寒い日が続き、桜が満開となったのは例年より遅い5月に入ってからとなりました。最近では、近所の庭にきれいな藤の花が咲いており、その棚を羨ましく眺めています。5月第1週は、チューリップ休暇と称して、学校が1週間休みだったこともあり、家族で近くの町へ出かけたりしました。日本も大型連休だったためか、結構日本人観光客を見かけました。こんな通信ですが、オランダでの最近の様子を少しでも皆様にお伝えできればと思います。

今年4月初旬から5月中旬までの動き

4月4日 オランダJCC 事務局訪問(アムステルダム)
4月5日 マリエッタの両親オランダ入り(メキシコより)
4月12日 KIT にてゲストスピーカーの集い(アムステルダム)
4月13日 JCC主催・オランダオリエンテーション(アムステルフェーン・囲碁会館;オランダ経済、政治、労働、生活環境等の解説)
4月17日 FAO職員・萩原さん一家のオランダ訪問
4月29日 オランダ女王記念日
5月12-14日 オランダ南部・マーストリヒト市観光

在蘭日本商工会議所(JCC)

オランダには、いろんな日系企業が入っており、以前はNissanのヨーロッパ本部もあり、企業者数は2006年1月現在で326社、在留邦人は7602人(内民間企業関係者は、4424人)となっています(JCCかわら版196号・2006年3/4月)。日系企業にとってオランダは、依然としてヨーロッパにおける重要拠点として位置付けられていることがここからも分かります。

その中心となっているのが、オランダ・アムステルダム市南部のWorld Trading Centerに事務所を置く在蘭日本商工会議所(JCC)で、1967年、オランダ進出日系企業15社により、親睦会日本ビジネスメンズクラブ(JBC)が発足したのが始まりです。進出企業増加に伴い、 1976年2月にはJBCを発展的に解消し、日蘭両国の経済関係発展の促進並びに親善の増進を目的とした在蘭日本商工会議所(JCC)を設立し、現在に至っています。

この3月にはJCC創立30周年を記念して、元外務省で現在外交評論家の岡本行夫氏を招き、特別講演会を開催したり、年に6回かわら版というA4版の会報を発行したり、日蘭交流のイベント企画や開催等幅広く積極的に活動しています。以前オランダに滞在していた際に事務局の方々に何かとお世話になっていたこともあり、挨拶を兼ねてこの4月に挨拶に出かけてきました。JCC事務所の長田さん、かわら版編集局の本島さん、そして顧問の筆内さんの3人が貴重な時間を割いてくれ、オランダの近況を知ることが出来ました。長田さんには、昼休み前に同じビルに事務所を置くJETROの田代所長と松浦プロジェクトマネージャーまで紹介してもらう手間をかけてしまいました。JCCの行事等に今後も何かと関わっていければと思っています。

KITにてゲストスピーカーの集い

4月12日に午後1時から半日間、異文化交流とマネージメント部門のゲストスピーカーが集まり、昨年度の実績発表や今後の活動方針について発表があり、その後意見交換会、KIT博物館で展示中のインド展の観覧、そして夕食会と続き、いろんな方々と知り合うことが出来ました。KITの注目国は中国で、講義のフォローアップを定期的に行い、担当者が中国を訪問して現地調査をするなど、かなり熱を入れています。石油産出国のナイジェリアや、近隣諸国のドイツ、ルーマニア、そしてロシア(含むシベリア)の国担当ゲストスピーカーらに混じって、随伴家族向けに幼児心理学者も呼ばれており、延べ30人ほどが和気藹々と発言や質問をする充実した半日となりました。夕食は開発途上国からのメニューということで、10種類近く料理が食べれるビュッフェという豪華さにもびっくり、年に一度こういう集いがあるとのことで、次回が楽しみです。

オランダ女王記念日

オランダでは、王室一家の人気は依然として高く、通常4月30日には、王室一家が地方訪問をしたりと女王記念日(前女王ジュリアナの誕生日)を盛大に祝うため、なんとなくお祭り気分になります。今年は1日繰り上がり4月29日(翌日は日曜日だから繰り上がったとか)で、ユトレヒト市では、前日午後6時から市内中心部の運河沿いの道々がフリーマーケットとなり、老若男女問わず、売る人買う人でごった返しました。掘り出し物がないものかと、始まる1時間前からぞろぞろと人が集まり始め、こそこそを売買の交渉をしているところを見回りの警察官に咎められている姿も結構見かけました。私も家族全員で出かけ、おもちゃや子供のサッカー靴等をついつい買ってしまいました。邦人が多くすむアムステルフェーン(アムステルダムの南)では、PCゲームや和書等も豊富に売りに出ると、知り合いの人が言っていましたが、今回はユトレヒト市だけで済ませた次第です。オランダ人は小さい頃からこうやって商売っ気を磨いているのかなと思うようなシーンもあったりして楽しいひとときでした。

子供の小学校

4月になってからいろんな行事が野外で始まるようになり、学校菜園もその一つです。歩いて10分くらいのところに農場を学校が借りており(学校の敷地は日本みたいに広くないため)、週に一回手入れや除草等に子供と先生が出かけています。親もその都度2-4人ほど同行でき、私も4月27日(木)午後に長男のクラスを手伝うことにしました。クラスは男女合わせて20名と少なめで男の子は8名のみと女の子が賑やかなクラスです。その日は、もう一人お母さんが手伝うこととなり、私は6名の子供担当になったわけです。それぞれの担当である約2mx0.8mの畑を除草した後人参や赤カブの種を蒔き、パセリ等の香草の苗を植えたのですが、配置等にそれぞれの個性が出ており、収穫時が期待できそうです。

 この学校菜園の隣が子供農場で、市役所の支援の下、月曜を除き毎日開放されており、ウサギやモルモットの体験コーナーや、ヤギ、牛、馬といった動物にも触れることが出来、次男のクラスは、4月22日(金)に出かけたのでした。小学校自体、そんなに広くなく遊び場も限られていることから、先生たちは近所での活動にも力を入れているようで、親としては嬉しい限りです。

サッカー・ワールドカップ

ドイツでの来月からの開催を控え、オランダも街にテレビに新聞と至るところで、サッカーチーム色のオレンジ色が目立つようになってきています。子供たちの間で流行っているのが、出場国の各選手のシール集め。全部集めると16カ国分596枚で、一袋50セントで5枚入り、スーパーや雑貨店で手軽に買えることから、よく息子にせがまれます。そういえば昔、仮面ライダースナックのカードを集めたりしていたなあと懐かしく思ったりしていますが、無名選手は何枚か重なってしまうのに、人気選手のカードはなかなか手に入らず、販売先が結構操作しているのかな疑ったりしているこの頃です。

最後に

マリエッタの両親が、しばらく滞在することになり、息子たちは大喜び。こんな通信ですが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。