オランダ通信

2006年1-2月号 *2006年2月20日*
by 清水 正

拝啓、向春の候、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?2年間滞在したイタリア・ローマを離れてもう2ヶ月になろうとしています。ここオランダには、12月18日に到着しました。3年半ぶりですが、近所の家族もほぼ変わっておらず、天気にも恵まれ、おかげさまでクリスマスや年末年始をつつがなく過ごすことが出来ました。子供の学校も年明け1月9日から始まり、元気に自転車で通っています。妻のマリエッタは、1月10日より、フェアートレードの事務局・IFAT(国際フェアトレード連盟) に勤務しています。私のほうは、オランダでの労働許可証取得を目指しつつ、小さな仕事を引き受けているところです。こんな通信ですが、オランダでの最近の様子を少しでも皆様にお伝えできればと思います。

昨年12月から今年2月初旬までの動き

12月8日 ローマのアパートの引越し終了・ローマ市内一泊
12月9-18日 イタリア北部およびドイツ国内の移動(車にて)
12月19日 引越し業者到着
12月21日 地元小学校の授業公開日
12月24-26日 クリスマス休暇
1月6日 ホームパーティ主催
1月30日 Oxfam日本の高津さんらのIFAT訪問

地元小学校について

自宅から自転車で5分くらいのところに小学校があり、自転車で息子二人の送り迎えを始めました。オランダは小学校といっても、4歳になると義務教育となり、幼稚園と小学校がくっついた8年生の学校となっています。この1月より長男の賢治はグループ3、次男の太陽はグループ1に入ることになりました。時間帯は、水曜が12時まで、残りの平日が8時半から午後3時15分までとなっています。低学年の場合、隔週で金曜日が休みとなっており、少し変則的です。教員不足が慢性的なオランダでの仕方ない措置といえましょう。
 クラスは凡そ20〜30名で構成されており、昼休みが12時から13時15分までとなっています。給食は無く、昼休みに自宅に帰って食べるか、ランチボックスを持って行くかのどちらかになります。後者の場合は、昼休み担当の人が配置され、クラスメートと一緒に食べることになります。もちろん無料ではなく、いくらか支払うことになりますが、昼休みの送り迎えの煩雑さを考え、私たちもこの制度を利用してみることにしたのでした。

10日間・2000kmの旅(ローマ-ユトレヒト)

2年間住んだローマを離れるにあたって、当初は飛行機を考えていたのですが、オランダに向かうのに同じ大陸なので、思い切って車で観光を兼ねて荷物をつみながら北上することで家族が合意。初冬の悪天候にも遭わず、心配だったイタリア国境越えも、オーストリアに入るときに標高1800mの峠で少し吹雪に巻き込まれた程度でほっとした次第です。
 これまで訪ねたことのなかった北イタリアは、ローマとはまた違った楽しさがあり、アッシジでは、サンフランシスコの壮大な教会を見学し、イタリア画家・ラファエロの生家がある小さな町のウルビノにも一泊しました。パドヴァには、予定をオーバーして4泊し、東へ約1時間のところに位置するヴェネチアも2回日帰りで訪問してきました。その後、北上し、オーストリアは泊まらず素通りし、ドイツでも哲学の町・ハイデルベルグでのんびりした他は、オランダに向かって一路高速道を移動していました。オランダに着いたらなんとなくほっとしたのを思い出した次第です。

行程表

12月8日(木) ローマ アッシジ(Assisi)
12月10日(土) アッシジ (Urbino)
12月11日(日) ウルビノ パドヴァ(Padova)
12月15日(木) パドヴァ ボルサノ(Bolzano-Bozen)
12月16日(金) ボルサノ インスブルック アウスブルグ(ドイツ南部)
12月17日(土) アウスブルグ ハイデルベルグ
12月18日(日) ハイデルベルグ コブレンツ ユトレヒト(Utrecht)

ホームパーティ

3年半ぶりに住み始めたこともあり、新年早々の1月6日(金)夜に、近所の家族を7世帯ほど招待して、イタリアワインやビールに寿司などの軽いつまみを揃えて楽しいひとときを過ごすことが出来ました。子供連れは夜ということもあってか、遠慮したらしく1家族だけでしたが、息子2人と遊んでくれ、かくれんぼやゲームに楽しんでいました。最後の人が帰ったのは夜1時過ぎでしたが、飲んでしゃべったため、翌日はボーっとして過ごすことになってしまいました。また機会を改めてホームパーティを企画したいと思っているところです。

スケート場に通う

 ローマと違って、スキー場ははるかかなたのオランダですが、冬のスポーツであるスケートは盛んです。ユトレヒト市北部にあるスケートリンクに12月末から結構通っています。私もマリエッタも時代遅れの革製フィギアやホッケー靴を履いていますが、子供たちの靴は、上達度に応じて次のように進化しました。
1) 2枚歯で長靴につけるもの(1&2回目;8ユーロで購入)
2) 貸しホッケースケート(3回目;1日5ユーロなり)
3) サイズ調整可能なプラスチックブーツ(4回目以降;約30ユーロで購入)
 屋根つきの屋外リンク(400m)と、アイスホッケーをやれる屋内リンクがあり、スピードスケート靴をはいている人は、屋外リンクのみ滑れます。男女老若を問わず、スピードスケートで気持ちよさそうにグルグル回っている人を見ると羨ましくなります。家族で行くと一回約15ユーロかかりますが、楽しいので暇を見つけて通うようになりました。シーズンの終わる3月中旬まであと何回か行きたいものです。

TVシリーズ‘Shouf Shouf’

人口の約1割が外国人のオランダでは、様々な国籍の人々が暮らしています。その中でもモロッコ出身の人口はかなり多く、良きにつけ悪しきにつけ目立つこの頃です。今年1月より12回のシリーズで始まった30分のドラマは、プールバーに集う職無しの若者4人が繰りひろげる就職活動や恋人探しがテーマのコメディ調のもので、オランダのスラングを知るのにもなかなかいい番組。2004年にオランダでブレークした映画 ‘Shouf shouf habibi!’ の俳優がそろって出ています。日曜夜7時もしくは再放送が火曜日夜11時から で、毎週楽しみにするようになってしまいました。

最後に

こんな通信ですが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。