河川の上流・中流・下流の典型的な写真を撮るというのはけっこう至難の業だ。特に多くの河川では河川改修が進んでいるために絵になりやすい場所がなかなかないのだ。
ふと思いついたのが、上流は札幌・発寒川水系の左股川。植物友の会でその近くに行ったときのことが頭をよぎったのだった。そこで、いわゆるstep and poolらしい河川形態を見ることができた。
さて中・下流。低水護岸が見えないようなところが望ましい。余市川。これは家族で積丹に旅行に出かけたときの帰りに思いついて寄り道。下流は余市川の田川橋。ニッカウィスキー余市工場のちょっと上流だ。とろっとした流れを低木のヤナギ林が縁取る。快晴の日で、水面は鏡のようだった。
中流らしい河川景観を求めて余市川沿いの道を遡る。仁木町銀山、赤井川村都と次第に上流に行く。さて、それらしい景観をカメラアングルに納めることができない。明治を過ぎたあたりだろうか。農道のような道に入り込み余市川を跨ぐ。河道は蛇行し、寄り州があって瀬には白波が立っている。「これ、これだよ!」とバシャッ。
この3枚の写真は、後に「川づくりのための魚類ガイド」で使用され、Aa・Bb・Bcの典型的な例として載ることになる。