コーンウォール(Cornwall)での宿泊地トゥルーロ(Truro)から2階建てバスに乗って丘を越え、北海岸のペレンポース(Perranporth)に向かう。ペレンポースから、South West Coast Pathと名付けられたナショナル・トレイルの一部を歩くことが目的であった。South West Coast Pathはイングランドに13あるナショナルトレイルの中でも最長の延長982kmのフットパスで、コーンウォール半島を一周している。そのほんの一部を眺めようということである。
まるで、ただの踏み分け道とでもいえるような、海沿いの崖の上を歩き出す。薄いピンクのアルメリアや、背丈の低いハリエニシダの黄色い花が咲きほこっている。一面ヒース状の草原だ。
海からそそり立つ崖は険しく、まるで赤岩(小樽)のようだ、礼文島の西海岸だ、という声が聞こえる。
この一帯はローマの時代から鉱山が栄え、ここかしこに残骸が残っている。私たちが歩いたところにも、かつては錫鉱山があったそうな…。
カントリーヘッジはイギリス特有の農村景観で、通常は低木の垣根からできている。ここペレンポース付近では、早くから森がなくなっていたのだろうか、カントリーヘッジは石積だった。
ちょうどワールドカップのイングランド戦の日だった。街は国旗を片手、あるいは国旗に身をくるんだ若者たちでにぎわっていた。