ベルギー/米軍記念墓地

1993年10月19日

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ルーベ教授はものも言わず車を走らせた。「どこへ行く」と、ぼそっと言ったのかもしれないが、聞き取れなかった。アーヘン市街を出て、緩やかな起伏が続く一本道をひた走った。

30分ほども走っただろうか。車は小高い丘の上にでた。私たちが連れて行かれたのは、アメリカ軍の記念墓地だった。第二次世界大戦後、いわゆる「解放軍」としてナチスの圧政を解き放ったアメリカ軍に感謝してつくられた墓地だという。第二次世界大戦の死者だけではなく、アメリカの世界各地での戦死者を弔っている。

なぜ、連れて行かれたのか、未だ理解に苦しんでいるのだが、彼によれば「我々は歴史を記憶しておかなければならない」ということだ。わからないわけではないが、来日した人をいきなり千鳥ヶ淵に連れて行くようなものだと思うのだが…。