1997年の噴火から20年を経たある日、道庁のTさんから「有珠山治山の20年パンフレットをつくるので有珠に行くけど、一緒に行かない?」という誘いを受けました。そういえば1990年3月以来行ったことがないことを思い出し、二つ返事で「いいですね、ぜひに」となりました。
20年で森は回復したか、というと「残念ながら」というしかありません。1979年から行われた航空実播、火山灰の流出を防ぐことに対しては十分効果があったと思っています。しかし、ルートマットを形成した牧草類が樹木の自然侵入を困難にしたことも事実です。応急的な対策の後に、将来を見越した何らかの方策をとるべきだったのですが…。
災害対応と自然復元、二者択一で考えるべき問題ではなく、長期的なスケジュールのもとで対応策を検討していく必要があります。しかし、残念ながら「喉元過ぎれば…」ということが多く、長期的な視点は忘れ去られてしまいます。今も、各地で同じようなことが続いているのでしょう。
忸怩たる思いがあります。