北海道の針広混交林、緯度によって出現する標高は異なるが、海岸からすぐに、なんてところは多くありません。知床半島や根室付近、そして北の方です。
ここ礼文島、海岸からすぐに針葉樹林が現れます。島のもっとも高いところは標高500m程度なのに、高山植物も咲くのです。
一度森を失うと、復元するのが難しそうです。前年に調査に入ったところでは、まるでササ草原が極相であるかのような印象さえ受けました。沢状の比較的風当たりが弱いところから木を植え、少しずつその範囲を広げていくということしかできないような気がします。
海岸防風林もなかなか大きくはなってくれないようです。ギンドロが植えられていました。ギンドロはヨーロッパ原産のポプラの仲間で、劣悪な環境条件の下でも育ちます。根萌芽といって、根が伸びた先からも幹が立ち上がるという性質があり、繁殖力も旺盛です。防風や飛砂防止という機能は果たすことでしょうが、将来どうするのかちょっと気になりました。
生態系を乱さずに、しかも私たちにとって必要な機能を果たす森林をつくる。けっこう難しい技術が求められます。