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2005年09月24日
■一念発起!空振り■
 ここしばらく休みになると、奥さんと二人で蕎麦の食べ歩きに出かけていた。とはいっても、まだ3軒ほどしかいっていないのだが…。

 私は、いわゆる「田舎蕎麦」と呼ばれる蕎麦の実の皮まで挽いている黒くて太く、蕎麦の香りが強いのが好きなのだが、ここのところ「更級蕎麦」のお店に入ってしまうことが多く、ちょっと欲求不満に陥っていた。そこで、連休中日はお天気も上々という天気予報を信じ、前日から「平取まで蕎麦を食べに走ろう」ということになった。

 さて、当日。朝から秋晴れのいい天気。急ぐ旅ではないので、ということで行きは奥さんが運転。36号線などの幹線はそれなりに混んではいたが、御前水から早来・厚真を抜けて穂別・平取へと通じる道道はスイスイ。厚真のあたりでは、水田とその後ろの緩やかな丘陵に広がる林を見ながら、まるで本州の里山の光景のようだなんていいながらのんびりした気分。

 家を出てから約2時間半。ようやく平取町に到着。お昼ちょっと前というタイミングの良さに、「これはしてやったり」とほくそ笑む。
 が…。何と何と何と、間が悪いというのか、「本日、都合により休業いたします」の張り紙が〜!!。
 この平取の「藤」の蕎麦、実は私の中では道内一番のおすすめだったのにぃ…。
 この間の悪さ、私たちだけではなかったようで、何台か店の前で怪訝そうに止まっている車を見かけた。変なところで、ほっとしてしまった。

 せっかく平取まで来たのだから、ということで二風谷の萱野さんの博物館まで足を伸ばすことにした。ここは、ほかの博物館とはちょっと違い、写真撮影自由。「写真を撮って、ほかのみなさんにもぜひ伝えてください」という張り紙。なるほど、そうだよねって思わずうなずいてしまった。
 いろいろ展示してあったけれども、圧巻は丸木船。今ではまず見られないような太い木を使って彫り込んである。かつての小学校で使われていたカツラの梁もおいてあってけれど、「え〜、こんな太い丸太がたくさんとれたんだ!!」。
 外に出てみれば、「コロポックルの家」が展示してある。小鳥の巣箱をそのまま大きくしたようなものなのだが、人がゆっくり二人くらいはその中に入れるのではないだろうかという太さ。
 百年前とはいわず、五十年ほど前まではこんな木が森の中にたくさんあったんだろうなぁ。こんな木をたくさん切り出して、私たちの生活は豊かになってきたわけだけれども、もうちょっと、どこかに片鱗だけでもいいから残しておいてくれたらよかったのに、と思うことしきり。豊かな森を残せなかったというのは、それはそれで私たちが森とそういうおつきあいしかしてこなかった証拠なのだが、自然がとか環境がとかいうのではなく、もっと自然とのおつきあいの文化として、大木のある森を残していきたいものだと思う。

 百キロメートル以上もドライブして蕎麦を食べに行くなんて酔狂なことを考えては見たものの、やはり慣れぬこと。すっかり空振りとなってしまったが、原始林の名残を見ることができたので、それはそれで良しとしよう。

 次の挑戦は、来年になりそうだなぁ…。

↑ 街並み整備とともにこぎれいになった「藤」(05/09/24)
↑ 非情、休業の張り紙(05/09/24)
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↑ コロポックルの家(05/09/24)
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