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空っぽの棚がテレビに映れば、われがちになってしまう気持ちは、わからないではない。小さな子どもやお年寄りがいればなおさら。けれど、わたしたちが、あるモノに手を伸ばす時、少しだけ想像してみよう。
「いま、コレを最も必要としているのは誰なのか」と。買い占めを控えることもまた被災者に向けて、「わたし」がいまできる、ささやかなはじめの一歩に結びつく場合もある。
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今回の事故で被曝された方々がいる原発で作られてきた電力を消費してきたのは、わたしを含め、主に東京で暮らすものであり企業である。電気がなくてはいのちを維持できないひともいることを心にとめた上で、原発そのものを、そしてどこまで不自由さをシェアできるかを再度深く考えることも、被災地の外にいる「わたし」にできることのひとつ、であるはず。