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技術の性格の変化は二つの意味で労働の価値観の転換をもたらした。一つは、労働、仕事がそれをする人自身の判断力より、適応力や理解力の方をより要求するようになったこと。その結果もう一つは、蓄積されたこうした判断力から、日々変化していく技術に対応する能力へ労働における価値は転換した。
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例えば今まで、コンピュータ化が情報収集や選択、整理の過程を集約して示すデータを活用すれば、人間はより豊かな判断力、想像力をも持つことができるようになると考えられてきた。ところが、様々なデータを手にしても、それをどう選択し判断するかその基本となる判断力がいまや衰えてきたことがわかってきた。判断力や想像力は、情報の過程を自分自身の内部でおこなうことによって、はじめて蓄積され豊富になるものであることに気が付いてこなかった。
誰でも永年培った専門を、仕事にしろ生活にしろ活かしていきたいと思うものですが、それは何も蓄積されてこなかった。そのため高齢者が仕事を続けようとすれば、組織の管理者のようになるか、パートタイム的労働、補助的労働のようないわば周辺労働に従事していくかに道は二分されてしまう。