こころの眼

アンリ・カルテイエ=ブレッソン

…。私にとってカメラはスケッチブックだ。直感と自発性が操る道具。視覚的に問いかけると同時に決定する、時間の支配者だ。世界を「意味づけて」見せるためには、ファインダーを通して切りとる世界に、自分もまた関与していると肌で知ること。そのために必要なのは集中力、感覚と感情のバランス、そして幾何学のセンスだ。方法論がなんであれ、簡潔で純粋な表現は思い切り削ぎ落とさなければ手にできない。…。

…。

写真を撮るとは、頭と眼とこころが一本の同じ照準線上で狙いをつけることだ。…。

2007/07/20
アンリ・カルテイエ=ブレッソン(Henri・Crtier-=Besson),堀内花子 訳,1976,こころの眼−写真をめぐるエセー−,24p,119pp,岩波書店