歴史家の技法の本質

アンドルー・ゴードン

歴史家の技法の本質は、さまざまな次代や場所にみられる特有の社会構造や社会思想を分析する場合に、ユニークさを強調するあまり、それらを、他の時代・地域の人々の経験とまったく共通点がない、隔絶した、ある特定の国だけに固有の神秘的な本質であるかのようにとらえることなく、そうした社会思想に光を当て、それらがどのように循環し、変遷を遂げたかを跡づけることだ。

2008/02/23
アンドルー・ゴードン(Andrew Gordon), 森谷文昭訳,2006,日本の200年上,日本語版へのまえがき,6-7p,383pp,みすず書房