公的地位につくと…

エドワード・ギボン

人間はひとたび公的地位につくと、たちまち雄弁ぶり、毅然さ、さてはまた世古の知識や実務の敏腕ということによって、すっかり重要人物になってしまう。そして、自家言動のひそかな真実動機を、他人はもとより、おそらくは自分にすらもひたすら押し隠す一方で、実際生活面での活躍には、騒々しいまでの情熱を傾けつくすのが常だった。

2007/06/30
エドワード・ギボン(Edward Gibbon),中野好夫訳,1996,ローマ帝国衰亡史2,第11〜16章,094p,ちくま文庫,筑摩書房