話すときの目線

山田ズーニー

何かを批判していると、饒舌になる人が多い。そして、饒舌になるにしたがって、目線が高くなっていくように感じる。

自分の身の丈を越えたもの言いは、逆に、自分というメディアのサイズを小さく見せる。

自分以上の目線から話す人物を、周囲は、「自分の経験や力量をわきまえられない人」、と思う。だから、その人が言っている内容さえ、どこかうさんくさいと感じてしまうのだ。共感の橋を架けたいなら、目線が肝心だ。

……

共感の方法とは、外から観た自分を知り、相手の気持ちを想い、自分と相手の関係を考え抜くことだ

2004/02/09
山田ズーニー(やまだ ずーにー),2003,あなたの話はなぜ「通じない」のか,160-169p,222pp,筑摩書房