自分好みの世界にだけ生きるということは

塩野七生

(コモドゥスを評して)

自分の好みにあった世界でのみ生きるのは、老齢に達した人にとっては人生の勲章である。だが、二十代で早くも自らの世界を限定してしまうのは、明らかに病気だ。そして悪魔のささやきが最も効果を上げるのは、このような病を持つ人に対してなのであった。…

2003/05/24
塩野七生(しおの ななみ),2002,終わりの始まり ローマ人の物語11,250p,新潮社